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> 最終戦 デクト城襲撃
国境の抑えであるフレイドの防衛拠点デクト城に、アーセレナ・ウィンディーン軍が迫っているとの報がもたらされた。
デクト城を預かるフレイド王の妹セルビア・ダルクは、大きく頷くと、全軍に対して厳戒令を出した。
「じきに我が軍の増援部隊とファレーンの援軍が来るが、城に篭って援軍を待つというのも性にあわぬ。地の利もあるし、ここは一戦して敵の出鼻を挫く事にするぞ!」
【今回の課題:「城」+「戦闘をイメージ」+「自陣の特徴」】
最殊勲
エスト(水)
今回の最殊勲には、暁さんの作品(エスト)を選ばせて頂きました。
剣を突き付けるセルビア・ダルクに降参の意を示すキャラクター。が、セルビア・ダルクの足元で蠢く水が、これからなにかあるぞ!という予感を感じさせ、静のコマの中の動という感じで、非常に面白いと思いました。
また、攻城戦の雰囲気もよく出ていると思います。
殊勲の各作品について。
矢純さんの作品(烏娘)は、「城から討って出るぞ!」という場面の描写。まさに今から突撃という様子がよく描けていると思います。
おかやすさんの作品(ルイィ)は、怪我人を風の膜で包んで城から運び出すというアイディアが面白いと思いました。全体的に絵の荒さは目立つものの、表現したい事をしっかりと伝える描写がよく出来ていると思います。
冥丸イヌチヨさんの作品(ノトス・モンスン・エオリアン)は、「戦いの後に…」という表現で、他と違う視点で描いているのが面白いなと思いました。四陣営を表しているであろう四つの兜とそれに花を手向けるキャラクターが、物悲しい雰囲気をよく作り出していると思います。
吉野佳弓さんの作品(フィーア)は、絵の勢いでしょうか。押し寄せるウィンディーン軍、その脇で植物から城に乗り込もうとするアーセレナ軍、必死で防戦するフレイド軍と攻城戦の様子がよく描けていると思います。
殊勲
殊勲
殊勲
殊勲
烏娘(火)
ルイィ(風)
ノトス・モンスン・エオリアン(風)
フィーア(水)
健闘
健闘
健闘
健闘
キム(火)
セツ(火)
シーヴ=ベシュタ
(火)
死魄(火)
健闘
健闘
健闘
健闘
ジェン=
ホード・メム(火)
スタンフィールド
(風)
アヴィエン(風)
ファイン(風)
健闘
健闘
健闘
健闘
サーラム(風)
モア(地)
せオ(地)
カヤル(地)
健闘
健闘
シャリー(地)
リンヤ(水)
獲得P
キャラクター(ID・お名前)
最殊勲
10
エスト
(ID:17450 暁)
殊勲
7
烏娘
(ID:13432 矢純)
ルイィ
(ID:07477 おかやす)
ノトス・モンスン・エオリアン
(ID:04302 冥丸イヌチヨ)
フィーア
(ID:16836 吉野佳弓)
健闘
3
キム
(ID:08140 るび子)
セツ
(ID:23137 一磋)
シーヴ=ベシュタ
(ID:04405 平沢ミノル)
死魄
(ID:09848 鳴海朔)
ジェン=ホード・メム
(ID:02324 高峰修)
スタンフィールド
(ID:04022 北矢密)
アヴィエン
(ID:14776 スギキユ)
ファイン
(ID:05539 麻霧アカザ)
サーラム
(ID:06733 ハリィ)
モア
(ID:07916 陽炎)
せオ
(ID:04956 夜刀アキラ)
カヤル
(ID:05924 伊藤未生)
シャリー
(ID:17962 砂流あき)
リンヤ
(ID:11833 フキノ)
全参戦者作品 →
火
・
風
・
地
・
水
火
89
風
98
地
107
水
106
→
火
94(-1+6)
風
107(+3+6)
地
96(-11)
水
103(-3)
<エピローグ>
「よし、そのまま押し返せ!敵はひるんでいるぞ!」
セルビア・ダルクの凛とした声に兵士達は高揚し、フレイド・ファレーン軍は敗走するアーセレナ・ウィンディーン軍の追撃を開始する。
その光景を馬上から満足げに見ていたセルビアの耳元で、人を馬鹿にしたような、ただ、はっきりとした口調で若い男の声が響いた。
「あのフレイド王の妹君がこれほどの美女だったとは。いやあ、惜しい。もったいない」
「何者だ!」
突然表れた気配に、ぎょっとした声を上げる。
フードに深く顔を埋めている為、男の顔はよく分からない。その横にいる青髪の女も。護衛の兵士達はどうしたのだ?こんな者達を近づけるなんて…。
恐る恐る辺りを見渡したセルビアの体は、一瞬にして凍てついた。
誰もいない。いや、いないのではない。そこに兵士は確かにいる。だが、“生きている者”がいないのだ。
「だけど、しょうがないよね。それが僕の使命、役割なんだから。そうだろ、レティオーン?」
何が「もったいない」なのだ?この男は何を言っているのだ?分からない。だが、一つだけ確かな事は、この男が“危険な人物”だという事だ。体がそう教えている。
セルビアは剣を取った。
「おやおや。剣なんて構えて、凛々しいね。でも、無駄だよ。無駄なんだ」
剣を構えた方の耳から、氷の割れるような甲高い嫌な音が襲う。飛び散った破片がセルビアの顔や四肢を傷つけた。
レティオーンと呼ばれた女がやったのか?だが、この女…目が空ろでとてもそのような事ができるとは思えない。精神を病んでいるのか?いや、そんな事はどうでもいい。今は、この男をどうするかだ。
「すまないね。でも、許しておくれよ。これが僕の“名前”が背負う運命なんだから。重い、決して避ける事の出来ない運命なのだから」
名前が背負う運命だと?この男…何者なのだ?
「名を名乗れ!王妹と知りながら、名を名乗らずに斬りかかるのか!戦の慣わしを知らぬ、無礼者が!」
「おや、これは失礼した。すっかり忘れていたよ」
くすくすと乾いた笑い声を上げて、男はフードを取って顔を見せた。
思っていたよりも若い。端整な顔立ちの青年だ。だが、その目は冷たく、見れば見るほどに恐怖すら覚えるほどだ。
「僕の名は、ハルス。ハルス・フォン……」
その名を聞いたセルビアは、驚く間もなく、全ての感覚を闇の中に失った。
「さて、と。レティオーン、次は君の番だ。君は……二つの要素を持つ君は、この世界にあってはならない存在なんだよ」
青年は、レティオーンと呼んだ女の髪をやさしく撫でながら、悲しそうな声でつぶやいた。
「でも、殺しはしない。君は“可能性”でもあるのだから。この世界を変えるかもしれない、ね」
女は男の言葉に何の反応も示さない。ただ、虚空を見つめ、時々泣き出しそうな表情を見せるだけだ。
「だから、僕は君を……」
男は、女の目に軽く手を当て、小さく呪文を唱えた。
次の瞬間、女は青白い光に包まれ、そして、かき消されるように姿を消した。
「“あちらの世界”は大変かもしれないけど、君なら大丈夫だよ、レティオーン…」